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経営事項審査の意味
経営事項審査(通称「経審」)とは建設会社にとって試験のようなものであり、その結果交付される「経営事項審査結果通知書」とは通信簿のようなものです。
この経営事項審査においては、以下の5項目について点数が付けられます。
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この点数により発注機関が定める建設業者への点数を「客観点数」と言います。
地方自治体などの発注機関はこのほか、独自の点数である「主観点数」を付けます。
この二つの点数により発注機関は建設業者をランク付けして、そのランクに応じた公共工事を一般競争入札などで応札させます。
建設業の許可を取得していない場合、この経営事項審査を受審することができません。
またこの経営事項審査を受審していない場合、公共工事の入札に参加することができません。
つまり建設業許可を取得していない場合、公共工事の入札に参加することができません。
それ以外でも発注者によっては下請業者にこの経営事項審査を受審していることを要求するケースもあります。
茨城県知事許可の場合、この経営事項審査において建設業者はかなりきびしく台帳等をチェックされます。
たとえば外注費のチェックなどもされるので、建設業の許可をもっていない業者への発注が500万円を超えた場合などには指摘されます。
なぜ経審の制度があるか
いきなり原則論になりますが、建設業者が作る工事完成物というのはたとえそれが個人の所有物であっても社会の資産としての意味を持ちます。
これは民法に規定があって635条但し書きで、請負人の担保責任で建物及び土地の工作物は対象外となっています。
どういうことかと言うと、発注者の注文したものと全く違うもの、こちらの要求を満たしていないものが提供された場合には、商品の売買などの場合には「交換しろ」と言えるのですが、こと建築物についてはその例外になっています。
つまり一旦完成した工作物はたとえそれが何かの手違いで発注者の要求を満たしておらず、その目的を達成できなくても、契約の解除ができない、つまり「壊して元に戻せ」とは言えないと言うことです(損害賠償を請求することは可能です)
つまり工事請負人というのは、工事完成物についてそれだけ重い責任を負っているということです。
民間の工事でもそうですが、公共の施設などを構築する官公庁の発注工事ならば尚更です。
発注者の「信頼できる業者」に依頼したいと言う希望は、その負う社会的責任を考えれば当然と言えます。
経営事項審査とはその建設業者が「信頼できる業者」であるかどうかを客観的な点数でランク付けするためのものと言えると思います。
公共事業工事を受注するものは全てこの審査を受けなければならないとされています。
経審結果通知には有効期間がある
公共工事を元請で受注しようとする建設業者は、すべてこの経営事項審査を受審して各発注機関に入札参加資格審査を申請しなければなりませんが、注意しなければならないのは、経審の結果通知書には有効期限があるということです。
申請書に記載した基準日(申請日や交付日ではありません。通常は決算日)から1年7ヶ月で有効期限が切れます。
たとえば個人事業者ならば、12月31日が基準日となるので、そこから翌々年の7月末に有効期限が切れます。
通常自治体などの入札参加資格審査申請は2年に一度本受付がありますが、それに合わせて経審も2年に一度受審すればいいというものではなく、その有効期間が切れる前に、新しい結果通知書の交付を受けなければなりません。
たまに経審が終わって、入札参加資格審査申請が終われば、それで2年間何もしなくていいと考える方がいるので、念のため。
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