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茨城で建設業許可のご相談をお請けしていて気が付くのは、許可をとれない理由はだいたい以下の二つだということ。
- 経営業務管理責任者がいない
- 専任技術者がいない
このうち当事務所のご相談ではどちらかというと、上記の「経営業務管理責任者がいない」ケースで許可を断念するケースが多いと感じます。
専任技術者がいなくてあきらめるケースと比較しておよそ6:4くらいでしょうか。
他の重要な要件である「500万円の財産がない」「建設業法などに違反した」というのは今までありませんでした。
(後者については「かつての勤務先社長が詐欺で捕まって連絡が取れない」というお客様の言葉をそのまま土木事務所の担当に伝えたら「片棒担いでいたわけじゃないだろうな」と疑われたことはありますが(笑))
さて、この経営業務管理責任者(経管)の要件を自分が満たさないために、建設業許可をあきらめようとしている経営者の方にいつもアドバイスしているのは
「経管の要件を満たす元経営者を見つけて、事業に加わってもらう」
ということです。
経管になれる要件というのは大雑把に言って、
「建設業の経営者として5年または6年以上の経験がある」
ということであり、建設業を営んでいた事業主や建設会社の取締役であったということです。
しかも、後者については「非常勤役員」でもいいのです。
(経営を補佐していた立場はこの際考えません。ハードルが高くなるので)
ここまで言っても多くの場合、まだピンとこない方が多いのですが、具体的には以下のような立場の方が候補となります。
- 引退した近所の元大工の棟梁
- かつて自分が発注していた下請建設会社の引退した社長または事業主
- 自分に仕事をくれる元請会社の引退した役員
- 下請仲間で仲のいい個人事業主
- 下請仲間で仲の良かった引退した個人事業主
などです。
ここまで言えば、一人や二人顔が浮かぶ方がいるのではないでしょうか。
これらの方を
「株式会社だったら、常勤役員になってもらう」
「個人事業だったら、支配人になってもらう」
ことで経管の要件を満たすことになります。
なお、これらの方を役員や支配人になってもらったとしても長期間お願いする必要はなくて、その状態で5年以上たてば、社長や事業主自身が今度は経管の要件を満たすこととなります。
そうなったら経管を社長や事業主に変更して、お願いしていたこれらの方に引退してもらうこともできます。
最初から、数年の約束で事業に加わってもらう約束ならば、お互いに少しは気も楽になるのではないでしょうか。
この方法は以前から経管の要件を満たさない経営者の方にはお伝えしていたのですが、いざそのときは「探してみる」と言っても、その後連絡がないことがほとんどでした。
しかしこの一月あまりで二人のご相談者から「見つかった」という連絡をいただきました。
結局、
「どこまで建設業許可を真剣に必要としているか」
そして
「自分の先輩格に当たる建設業経営者を迎え入れる度量があるか」
が問題ではないのかと想像しています。