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前回の専任技術者交代の注意に続いて、経営業務管理責任者を交代する場合に気を付けることです。
専任技術者と同じく、経営業務管理責任者が存在することも建設業の許可に必要な条件のひとつです。
経営業務管理責任者(以下「経管」と省略)になれるのには、大雑把に言って以下の条件が必要です。
「建設業を営む会社の役員であった経験が5年もしくは6年ある」
「個人事業主として建設業を営んでいた経験が5年もしくは6年ある」
「経営者を補佐する立場で6年間建設業に従事した」
なおこの役員経験は非常勤でもかまいませんが、監査役はだめです。
また勤務していた建設会社あるいは個人事業主が建設業許可を持っていたかどうかも問いません。
この場合、
「前任者がいなくなったあと、これら経管になる資格がある後任者が引き継ぐまで空白の期間がないこと」
というのは同じなのですが、専任技術者と違うのは、前任者がいなくなった時点で、後任者は以下の立場にいなければならないことです。
「会社の場合、役員であること(監査役不可)」
「個人事業主の場合、支配人登記がされていること」
つまり、専任技術者と違って、経管の場合、候補者が組織内にいるだけではだめなのです。
建設業経営で一番多いのは
「経営者が経管も専技もすべて兼ねている」
というパターンです。
この場合、経営者に何かあった場合、後継の経管と専技の候補者が準備されていない場合、いきなり建設業許可が失効します。
長年建設業を営んでいる場合には、組織内の古参の従業員が積んでいる実務経験や資格で専技は何とかなることも多いでしょう。
しかし、経管については、従業員を役員または支配人にしてから5年ないし6年かかることから、将来の展望がないまま人事を行っていると経営者がいなくなったとき許可を失いかねません。
現実には代表者が不在となる前の日付でごにょごにょということが多いのでしょう。
しかし専技の場合と違って経管の場合には、候補者を役員または支配人としなければならない、つまり事業承継とも絡んでくることから、なかなか決まらないことも多いでしょう。
もしも建設業を承継してくれる候補者がいる場合には、早めに役員としてしまう、あるいは支配人として登記してしまうことをお勧めしているのですが「あいつはまだ早い」などと言うことで決まらないことも多くあります。
しかし経営者は「自分が倒れたらどうなるのか」を建設業許可も絡めて考えておく必要があります。